Processes in Microbial Ecology (Kirchman, D.L.著) をKindle editionで購入。Kindle editionだと公費で買えないだろうなー、ということで自腹での出費。しかしながら既にペーパーバックも出ているのでお安く購入できました。
買ったばかりでまだ全て読み終わっていないけれど、平易に一般的なことが手広く書かれている感じ。こういう教科書が日本語であれば良いのになー。生物地球化学関連の教科書も日本語の良書は無く、未だにSchlesinger W.H. の Biogeochemistry が私のバイブル。
お目当ては主にgeomicrobiologyに関するセッション。カナダ滞在中実験の人たちと良いコラボレーションができるように、できる限り知識を増やしておきたい。
読み終えたところをメモ書きしていこうかと思います。
Chapter 13 Introduction to geomicrobiology
Cell surface charge, metal sorption, and microbial attachment
微生物の細胞の表面は一般的に負に帯電しているため、正に荷電した元素や化合物を引き寄せ、細胞とその周囲との間に荷電の勾配を生じる。表面電荷は微生物の種、生育環境などに依存する。また、pHが低い場合には表面荷電は水素イオンによって中和される。大部分の微生物のisoelectric point (等電点)はpH2 - 4程度である。
Metal sorption
細胞が負に帯電していること、また表面積が大きいことにより、微生物は正に荷電した金属を吸着し、反応サイトの場となっている。吸着モデルにはLangmuir式やBET吸着等温式などがある。微生物は細胞表面の官能基を変えることである程度吸着量を制御できる。それによって、金属を吸着することで細胞壁を安定させたり、金属による毒性を低減させたりすることで利益を得る。
Iron uptake mediated by siderophores and other metal ligands
ある種の微生物は鉄の制限下においてsiderophores (シデロフォア) と呼ばれるリガンド (もしくはキレート)を細胞外に放出する。siderophoresと鉄と錯生成することでFe(III)は溶存態として存在し、沈降が防がれる。多くのsiderophoresはバクテリアによって合成されており、大きく分けてhydroxamates, catecholates, alpha-hydroxycarboxylatesの3つに分類される。Siderophoresを合成しない細菌もsiderophore-iron complex (錯体) を利用することが確認されているので、siderophoresを合成する細菌は"ただ乗り"されているが、siderophoresを合成するメリットがただ乗りのデメリットを上回るようである。
鉄の他にも銅やビタミンを得るためにリガンドを放出するものの存在も確認されている。
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