2013年1月24日木曜日

論: Energy-based modelsのレビュー

Energy-based models for environmental biotechnology
Rodríguez J. et al. (2008) Trends in Biotechnology 26(7) 366-374


Environmental biotechnology is evolving

 廃棄物からのエネルギー回収などのために微生物学的処理が試みられているが、mixed-cltureでは期待していたような結果が得られないことが往々にある。これは物理化学的な環境のわずかな変化や微生物間の競争の結果に依存すると考えらる。このような複雑な相互作用を理解するために数理モデルが役立つ。


Are existing models adequate? 

 数理モデル研究はMass-balance based modelsとして発展し、現在はkinetic-based-modelsに拡張される。しかし、kinetic-based-modelsには以下のような問題点が挙げられる:


  1. 微生物と化学反応の動態を別々に扱う。
  2. 微生物間の競争は無視される。
  3. エネルギー的、熱力学的な制限をしばしば無視する。


What would a suitable model look like?

 Mixed-cultureにおける基質や生成物のフラックスを定量的に評価する数理モデルはその微生物群衆内で生じる反応に関する代謝のstoichiometryとkineticsを考慮しなければならない。現象を説明するために重要な項目を含み、考慮するプロセスは最小化されなければならない。


Including thermodynamics

 質量保存の法則に加え、熱力学的な制限も考慮されるべきであり、熱力学的な側面を考慮したモデルも存在する (これをenergetic modelsと総称して良いのだろうか?)しかしながら熱力学的な制限を加えただけでkinetic-based-modelsは現象をうまく説明できない。これはエネルギー収率を一定と仮定していたり、微生物間の相互作用を考慮しないことに起因する。


An energetic framework

 "Gibbs energy calculations allow the identification of the energy niches that are needed for redox reactions to occur."

 Energetic nichesと微生物活動の関係はまだ明らかにはされていないが、energetic modelsからは重要な情報が与えられる。例えば、ある特定の生成物を得るための特定の反応を伴うプロセスの開発に役立つ。


A metabolic network modelling approach based on energy

 環境要因は微生物が反応から得るエネルギー量に影響する。特に興味が持たれるのはどのような条件の際にエネルギー収量が最大化するかである。また、得られるエネルギー量を最大化するために選択圧がかかると考えられる。このため、進化学的な側面もモデルで考慮する必要があるのかもしれない。





 完全な要約ではなく、興味がある部分の抜き出し。化学合成細菌の動態の数理モデルはまだまだやることがありそうだ。燃える!




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