Impact of nitrogen deposition at the species level
Payne, R.J. et al. (2003) PNAS 110(3) 984-987
ヨーロッパの酸性質の草原地帯を対象にメタデータ解析を行ったところ、窒素負荷量に対して統計学的に有意な種多様性の損失が確認された。
ある種の存在量が統計学的に変化する窒素負荷量 (critical-point) の約60%が現行の閾値レベルを下回っており、また、最低レベルの窒素負荷量においても感受性が高い種に影響が及ぶ可能性があることが示唆された。
群衆レベルでは14.2 kg N ha-1yr-1がロバストな閾値のようであり、これ以上の窒素負荷を被る場所では、窒素負荷に対し耐性がある群衆構造に既に変遷していると考えられる。よって、窒素に対し感受性が高い種を保全するためには少量の新たな負荷であっても避けるべきである。
これだけの結果が出るデータがそろっているのが素晴ら羨ましい。定量的な閾値の導出のためにはボトムアップなモデリングよりも統計モデルのほうが威力があるなぁ。
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