2013年1月27日日曜日

論: Geobacteraceae in retentostats

How Geobacteraceae may dominate subsurface biodegradation: physiology of Geobacter metallireducens in slow-growth habitat-simulating retentostats

Lin, B., Westerhoff, H.V., and Röling W.F.M. (2009) Environ. Microbiol. 11(9), 2425-2433



 Geobacter metallireducensをretentostat (リテントスタット)で培養、the maximum growth yield (ここでは炭素転換効率で評価される)や細胞の維持に必要なエネルギー量などを見積もる。

 Geobacteraceaeは異化的に鉄を還元する細菌で、鉄が還元されうる還元的な環境、特に富栄養化した水圏環境でしばしば存在が確認されている。自然環境下における化学合成細菌の増殖速度は一般的に非常に遅いが、ケモスタットを用いた連続培養系では細胞の流出が生じるため高い増殖速度で培養を行う必要がある。一方リテントスタットでは細胞の流出が無いため自然環境下に近い増殖速度での培養が可能である。

 LinらはGeobacter metallireducensを0.0008h-1の増殖速度で培養。細胞の維持に必要なエネルギー量が他の従属栄養バクテリアと比較して非常に低いことを確認。また、鉄やフミン酸の代わりとなる電子受容体、2,6-anthraquinone disulfonate(AQDS)を新たなタンパク質合成を必要とせず代替として利用することを確認。これらの特徴によってGeobacteraceaeは鉄が還元されるような還元的な環境下で優勢となるのかもしれない。



 モデル計算に必要なパラメタが手に入り、感謝。実験とモデル、一緒に進められればなぁ。しっかし化学合成細菌の培養は時間がかかるものですね。。現状私のモデルでは炭素転換効率は固定にしてしまっているが、von Stockarらの研究での言及なども考慮して、thermodynmic-basedで考える必要があるかもしれない。


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