Bacillus subtilis bacteria hinder the oxidation and hydrolysis of Fe2+ ions
Fakih, M. et al. (2008) Environ. Sci. Technol., 42, 3194-3200
バクテリアは鉄の二次鉱物の生成と密接に関係していることが認識されている。その一方で、微生物学的に生成されたFe(III)の沈殿物が、非生物学的に生成されたFe(III)の沈殿物と比較して、その組成や、反応速度論においてどのような違いがあるかについては不明な点が多い。Fakih et al. は実験微生物としてBacillus subtilisを対象とし、中性環境環境下で様々なFe2+濃度条件における培養を行い、SEMとXRDによって沈殿物の特徴について調べた。また、水素生成速度やレドックスポテンシャルの動態についても観測した。
非生物的な酸化と微生物学的な酸化を比較した結果、H+の減少に対する鉄酸化物の生成量が化学量論的に異なることが明らかになった。これは、微生物学的な鉄の酸化においてoxidation/hydrolysisが不完全であることを意味する。また、SEMによる観察でも、非生物的な酸化と微生物学的な酸化によって生成した沈殿物に違いが見られた。また、バクテリアの菌密度も鉄の沈殿物の組成に影響を与えることが明らかになった。中程度の菌密度では結晶化度の低い粒子が生成されたのに対し、菌密度が高いときには鉄酸化物の粒子の生成が完全に阻害された。反応速度論的な影響としては、非生物学的な酸化の際には強いautocatalytic effect (自己触媒反応)の傾向が観察されたが、微生物学的な酸化の場合はautocatalytic effectが現れるまでより時間がかかり、また、その程度も非生物的な場合と比べて小さかった。これは、バクテリアのreactive sitesとFe2+が錯生成することによって、酸化や加水分解速度に影響が及んだからかもしれない。
Vollarth et al. (2012)の論文の引用文献巡り中。気がつけば再び鉄に関わりのある研究に(学生の頃とは全く異なるアプローチで)携わることになりそうです。今日は久々に研究の時間が取れたので、Mathematicaにてモデリング。微生物学者や地球化学者に直感的に理解しやすい可視化を目指していますが、Manipulate関数は本当に良い!!
関係ないですが、今日は立春並びに東風解凍。寒さもやや緩んできた...と思いきや、明日は大雪...?
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