2013年2月1日金曜日
論: 低酸素条件下での鉄酸化細菌
Oxygen dependency of Neutrophilic Fe(II) oxidation by Leptothrix differs from abiotic reaction
Vollrath, S., Behrends, T., and Van Cappellen, P. (2012) Geomicrobiology J. 29, 550-560
pH中性の環境下でFe(II)を酸化する鉄酸化細菌が様々な環境中に存在していることが明らかになっている。しかしながら、pH中性の環境下では無機的な反応が進行しやすいため、無機的な反応と微生物学的な反応が競合することが予測される。これらの鉄酸化細菌は酸素濃度が低いところで卓越する傾向にあり、そのような環境下で無機的な鉄の酸化より効率的に鉄を酸化するかもしれない。この仮説を、Leptothrix chlodnii Appelsの培養実験より検証する。
無機的・微生物学的鉄の酸化の両方において、鉄の酸化の時間動態に2つの異なる特徴をもつフェーズが現れた。また、鉄酸化物による鉄酸化の促進が見られた。
酸素濃度に対する鉄酸化速度の応答は、微生物学的鉄酸化ではミカエリスメンテン型の応答が観察された。一方、無機的鉄酸化では線形の応答が観察された。
時間が経つにつれて微生物学的な鉄の酸化量が無機的な鉄の酸化量を下回る。この原因として、細胞の表面における鉄酸化物の吸着、もしくはextracellular polymetric substances (EPS)による阻害効果が考えられる。
なんともまあ素敵なデータ満載の論文...!鉄酸化細菌の適応戦略の側面から面白いモデルの研究ができるかなと思っています。カナダに行く前の宿題。結果は...今後発表するであろう論文で!!
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