Biogeochemical redox processes and their impact on contaminant dynamics
Borch, T. et al. (2010) Environ. Sci. Technol. 44, 15-23
この記事より続き。
Impact on Trace Elements
Trace Metals
様々な人間活動により微量元素がredox-dynamicな環境中に負荷されている。Cr, Cu, Co, Ag, Tc, Hgなどの微量金属は複数の価数をもつ。これらの金属はFe2+やH2によって還元される。一方で、微生物は異化呼吸もしくは解毒的な経路で、様々な、かなり毒性の高い金属でさえも、直接で気に還元しうる。微量金属の還元はCr(VI)からCr(III)への還元のように可動性を減らす場合もあれば、Hg(II)からHg(0)への還元のように可動性を上昇する場合もある。
微生物夜呼吸は金属と結合する natural organic matter (NOM) の固相-液層分別、吸着や沈殿平衡を介して、間接的に微量金属の化学種分別に影響する。微生物学的Co(III)-やNi(II)を含むgoethiteで報告されているように、微生物学的な酸化物の還元は吸着能を失わせる。また、放出されたFe2+は鉱物や有機物への吸着において、他の正に荷電した微量金属と競合するかもしれない。そのような可動性の上昇は、微量金属の吸着や共沈によって相殺されるかもしれない。
微生物学的硫酸還元は chalcophile metals (親銅金属) の沈殿を促進するかもしれない。硫黄が豊富な堆積物中では、微量金属は硫化鉄と共陳しているか、異なった硫化金属を形成する。しかしながら重金属に汚染された淡水の湿地では親銅金属のavailabilityはしばしばそれらを還元する硫化物の量を超え、微量金属の動態は生物由来の硫化物との競争的な沈殿に強く影響される可能性がある。難溶性の硫化金属の沈殿とは対照的に、硫化金属クラスターの生成は、還元環境において金属の移動性をかなり促進するかもしれない。これは、酸化環境下においても反応速度論的な安定性(この場合は移動しやすいこと?)が維持される可能性があるためである。
生物地球化学的酸化はO2が還元環境下にもたらされることよって駆動される。中性、アルカリ性pH環境下ではO2によるFe(II)の酸化が非生物学的に急激に進行するが、多くの過程は化学栄養細菌によってゆっくりと進行する。Fe-, Mn-, Al- (hydr)oxidesの沈殿は溶存態の微量金属を効果的に捕らえる。もし沈殿がナノ粒子やコロイドであれば、それらは水圏での微量金属の移動性を大いに促進する可能性がある。
Metalloids
生物地球化学的レドックス反応過程はAsやSbのようなmetalloids (メタロイド元素)の環境中での運命に強く影響する。Asが飲料水の汚染で世界的な注目を集める一方、Sbによる汚染は局所的に重大である。Sbの価数、Fe (hydr)oxidesへの吸着はSbの毒性や移動性を支配する。
バングラディシュにおける井戸掘削は浅層水圏の水文学的・生物地球化学的変化を引き起こし、ヒ素の地下水への混入に寄与した可能性があるが、その正確なメカニズムについてはまだ明らかではない。Asの移動性、bioavailabiliy、毒性、環境中での運命は、Asのキャリアの破壊、酸化還元状態やAsの化学種分別の変化などの、生物地球化学的な変化に支配される。地下水中の溶存態のAsの濃度は難溶性のiron (hydr)oxidesと密接に関係している。これは、iron (hydr)oxidesがAs(III)とAs(V)の両方を強く吸着するためである。還元的な地下水で溶存態のAsとFe(II)が高い濃度で観測されるのは、AsリッチなFe(III) (hydr)oxidesの還元が地質由来のAsの移動性に影響しているためである。
最後まで終わらせたかったけど時間がなかったのでここまで。
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