2013年3月15日金曜日
論: 嫌気好中性鉄酸化細菌によるバイオミネラリゼーション
Iron biomineralization by anaerobic neutrophilic iron-oxidizing bacteria
Miot J. et al. (2009) Geochimic. Cosmochimic. Acta, 73, 696-711
概要
嫌気性かつ好中性で、硝酸還元/鉄酸化をおこなうAcidovorax sp. strain BoFeN1を培養し、生成された鉄酸化物の特徴を走査型電子顕微鏡(STXM)、透過型電子顕微鏡(TEM)などを用いて調べる。
BoFeN1は3つの異なるタイプの鉄酸化物を沈殿することが観察された。それらは沈殿の形態・沈殿する場所によって特徴付けられる: (1) 細胞の周辺に直径約100 nmの鉄酸化物の球状体が繊維状に集合したタイプ。(2) 細胞表層を直径約100 nmの小球体として覆うタイプ。(3) ペリプラズム内に約40 nmの層として存在するタイプ。細胞内と細胞外の鉄酸化物はそれぞれ異なる有機分子と結合していることが観察された。細胞外の場合はexopolysaccharides (菌体外多糖)、細胞内の場合はタンパク質の一部であると見られた。時系列的な観測の結果、細胞での鉄の沈殿はまずアモルファス状のリン酸鉄としてペリプラズム内で生じ、その後コロイド状の鉄に富んだ小球体として細胞表層を覆った。また、細胞極において非対称な鉄酸化物の沈殿が生じていることが観察された。
細胞付近にどのように鉄が存在しているのかを示すTEMとSTEMによる素敵写真が掲載されております。必見です。目で見るって大事ですよね、たくさんのイメージがわいてきます。使え、五感!モデルの研究の方でも面白い結果がではじめました。Mathematicaちゃんは可視化の面で役に立ってくれています。
余談ですが、先に投稿していた論文、査読者が決まらないまま2ヶ月半放置されていたとかで。。長丁場な予感。
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